ロービジョンとは
ロービジョンとは、日本語の「低視機能」を英語に言い換えた言葉です。言葉の意味としては、どのような原因であっても視機能が正常より低下していればロービジョンの中に含まれます。実際の臨床は両眼とも治療によって回復が見込めない状態の視機能低下がある場合を意味して使うことが一般的です。ロービジョン者には両眼とも全く光が感じられない全盲の方や片目が正常に見えていて片目だけが失明もしくは失明に近い状態の方は含まれません。
ロービジョンと混同されやすいものに「弱視」という状態があります。弱視とは、生後まもない幼少期に眼球に視機能の発達を邪魔する要因があったために生後の視機能が発達せず、ものを正常にみるための脳内回路が育たなかった状態です。弱視は、ロービジョンの中に含まれるものであり、ロービジョン=弱視ではありません。
ロービジョン者には、メガネをかけても見えるようにならない重度の視力低下がある方や視野が極めて狭くなってしまった方、視力も視野も障害が強い方が含まれますが、言葉を返せばロービジョン者の方々には、大なり小なり何かしらの視機能が残っているということがいえます。
ロービジョンケアとは
前項でロービジョン者には、大なり小なり何かしらの視機能が残っているとお伝えしました。ロービジョンケアでは、このロービジョン者にまだ残っている視機能を最大限を使って日常生活を少しでも楽に過ごすための道具の紹介、身近にあるもので生活を楽にできる工夫、視覚障害者のためのスマホやタブレット、パソコンの設定方法や使い方の指導、身体障害者手帳の取得など視覚障害者のために存在する行政サービスの紹介などを行います。
ロービジョンに役立つサイト色々
色がついたサイト名をクリックするとそれぞれのページに行くことができます。
社会福祉法人日本点字図書館:日本点字図書館は、アクセスがJR高田馬場駅から徒歩5分と駅近で便利な場所にある視覚障害者向けのサービスを提供している図書館です。点字図書館というと、点字の本しか扱っていないように思われがちですが、視覚に障害をお持ちのかた、活字を読むことが困難なかたであればどなたでもご利用いただける様々なサービスを提供しています。点字図書の貸し出し以外に朗読図書の貸し出しや専門書の朗読、視覚障害者のためのIT教室などがその一部です。
わくわく用具ショップ:日本点字図書館で販売されている視覚障害者のための便利グッズのネットショップです。
日本ライトハウス情報文化センター:「目の見えない方・見えにくい方が、見える人と等しく「情報」を活用し
「文化」を享受し、「コミュニケーション」を楽しむそんな社会の実現を目指して」活動されている組織です。便利グッズ販売や視覚障害者のためのスマホ等の電子機器の利用法教室なども実施されています。
シカクの窓:「シカクの窓」は、視覚障害に関する様々な情報への窓口です。便利グッズの紹介などもされています。
響林社:近現代の文藝作品を中心とした朗読オーディオブックを中心に販売する出版社ですが、文字を大きくして印刷した大活字本などの出版もされています。
埼玉福祉会大活字本シリーズ:大活字本とは、文字の大きさや行間等を調整して、視覚障害者や高齢者など視機能が低下してきた方が読みやすいように組みなおした本です。大活字図書、大活字版とも呼ばれていますが、埼玉福祉会ではこの大活字本を出版されており、2025年7月の時点で1500点以上の作品を刊行されています。
大活字版岩波文庫:2025年10月に名著20冊から刊行開始されました。これからもっと増えていくことが期待されます。
社会福祉法人東京光の家:日野市内にある障害者のための福祉施設で、視覚障害者に限定しているわけではありませんが、市区町村及び障害福祉サービス事業所等の関係機関との連絡調整や光の家新生園では視覚障害者に対する白杖の使い方を訓練する歩行訓練などにも対応して下さっています。